シネセゾン閉館

渋谷のシネセゾンが今日で閉館。

本当にたくさんの映画をここで観た。ありがとうシネセゾン。夕方の回を観終わって外に出ると、本来の夜の顔に変化してる道玄坂の感じ、映画館で観た映画はその前後のシチュエーションまで意外と覚えてたりするものですね。

夢破れて田舎に帰る友人に「帰る前にアイデン&ティティ、ぜひ観て!」と薦めるも「あの映画、あんまり好きじゃなかった」と言われたこととか、劇場係員が「人のセックスを笑うなの劇場はこちらです!人のセックス!セックスの劇場は!」と公衆の面前でセックス連呼事件とか。

シネマアートン下北沢、恵比寿ガーデンシネマが休館して、気付けばシネマライズもスクリーンひとつになっちゃっているし。どうして「〜the Movie」系しか興行成績がよくないんだろう。

今年の初め、常連のお客さんと映画の話をしているときにガーデン休館の話を聞いた。「これからウディ・アレンの映画はどこで上映するんだ!」なんていいながら、思い出話に花を咲かせる。

喫茶店なんかがいちばんわかりやすいのだけど、「閉店します」なんて話を聞いて「なぜあんな素敵な店が閉店してしまうんだ!世の中ファストフードやチェーン店ばっかり、嘆かわしい!世の中バカばっかりだ!」と憤慨してみるものの、結局自分もしばらくその店に足を運んでいなかったことに気付き、「せめて最後に・・・」と懐かしむことぐらいしか出来ていないことにがっかりしたりする。お店の方の「そんなに思ってくれてるなら、じゃあなんであんたたち来てくれなかったのよ?」なんて心の声が聞こえてくるようで胸が痛い。フラれ間際に「そんなに好きだったら、なんでもっと優しくしてくれなかったのよ!もう遅いのよ!」と彼女に叱責されている気持ちですね、これは。

案の定、僕もその常連のお客さんも、ガーデンにはあまり行かなく(行けなく)なってしまっていて、「僕らみたいな、自称映画好き、がそういう劇場行かなくなったらいけない。閉館のときに胸を張って寂しがれるようじゃないといけませんね。僕らが劇場を支えていかないと!」なんてご大層なところに話は落ち着いた。

僕の古巣の映画館もだいじょうぶかしら?なんて思っていたのだけど、「英国王のスピーチ」が上々の滑り出しのような雰囲気なのでよかったよかった。

時間つくって映画観にいこう。もっと優しくしておこう。