5周年。

nicolas、5周年をむかえました。

たかだか5年ぐらいでいっちょまえの口をきくのもどうかと思います。
大騒ぎするようなことでもないと思います。
それでも、5年もちました。
支えてくださったみなさんには本当に感謝しています。
本当にありがとうございます。

nicolasがオープンした5年前、僕には好きなお店が2つありました。
下北沢のカフェと、池ノ上のワインバーです。
目標、というか、精神的支柱、とでもいうべきお店です。
今はもう、どちらもありません。
カフェは、
「ポリシーを貫くことができなくなった」と言って閉店しました。
ワインバーのシェフは、
「オレが死んでも店は残って欲しかった」と言っていました。
そとから、どんなに順調にいっているように見えても、
さまざまな理由によって、お店は一瞬でなくなります。
なくなるなんて、思ってもみなかった。

当たり前だと思っていた平凡な日常が、一瞬にしてなくなることを、
多くの方が、体験したり、目の当たりにしていると思います。
飲食店だけが永続するはずはありません。
好きだったお店がなくなる、という経験をしたことがある方は多いと思います。
最後にもう一度行きたい、行きたかった、会いたい、会いたかった。

そうではなくて、お店がなくなるときにではなくて、
みなさんに、なにかがあったときに、行くお店はありますか?
「引っ越すことになったよ。お世話になったね」とか、
「わたしたち、結婚することになりました!」とか、
「子供が生まれました!」とか、
「いやあ、離婚しちゃってねー」とか、
「今度本が出るんだよ!」とか、
そんな、人生の一大事を報告に行く、そんなお店はありますか?
町のおそばやさんでもいいし、
家の近くのバーでもいいし、
仕事場近くのコーヒーチェーン店でもいいし、
めったに行けないけどなにかあったときには必ず行くレストランでもいい。
(飲食店じゃなくたって、ほんとはいいんです。)

みなさんの生活に、日常に、飲食店がありますように。
そんなお店が、少しでも長く、
みなさんのそばに在り続けることができますように。
nicolasが、そんなお店になれますように。

いつかなくなるその日まで、
それまでnicolasをよろしくお願いいたします。

まだ5年です。これからです。