伊藤亜紗&難波創太『会話で食べる=会食』
http://ignitiongallery.tumblr.com/post/121064476727/at-nicolas
“「見えない」ことは欠陥ではなく、脳の内部に新しい扉が開かれること”
伊藤亜紗さんのご著書「目の見えない人は世界をどう見ているのか」(光文社新書)は、目の見えない人の「見方」に迫りながら、「見る」ことそのものを問い直します。
視覚抜きのバランスで世界を感じた時、見える人は見えない人に変身し、世界の意味が違ってくる。
この本を読んで特に興味を覚えたのが、「ソーシャル・ビュー」。作品をみんなで見ること、コミュニケーションを通して見る方法です。
今回の「会話で食べる=会食」は、この「ソーシャル・ビュー」を食に応用し、あらためて食べることの意味を体感することが目的です。
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目の見える人が見えない人に、テーブルに並べられた料理について、見えているものと見えていないものを言葉で伝えてもらいます。「見えているもの」とは、大きさとか色とか食材とか、「見えていないもの」とは、印象や思い出した経験といった主観とか。
会場であり今回の料理を担当してもらうカフェ「nicolas」には、今回ちょっと変わった料理を作ってもらおうと思うので、目の見える人にとっても、言葉にして説明するのが難しいかもしれません。その時、目の見える見えないの関係が揺れ動き、お互いの会話によって食べること=会食を楽しむことができるのではと思います。
「視覚障害者とつくる美術鑑賞ワークショップ」にも関わられている全盲の難波創太さんをナビゲーターに、「目の見えない人は世界をどう見ているのか」の著者・伊藤亜紗さんをファシリテーターに、一つテーブルを囲んで晩餐を共に。
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日時:2015年7月5日(日)
オープン18時30分 スタート19時 クローズ21時
会場:nicolas(東京都世田谷区太子堂4-28-10 鈴木ビル2F)
料金:3200円(nicolasの前菜+メイン+デザート+1ドリンク付き)
ファシリテーター:伊藤亜紗
ナビゲーター:難波創太
定員:先着16名さま(見える人・見えない人にかかわらず募集致します)
*定員に達したため、以降キャンセル待ちの受付となります!
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予約:ignition.gallery@gmail.com
件名を「会話で食べる=会食」として、
1. お名前(ふりがな)
2. 当日のご連絡先
3. ご予約人数
4. 視覚障害の有無
を明記の上、メールをお送りください。
*メールの受信設定をご確認ください。
*当日無断キャンセルの方にはキャンセル料を頂戴致します。
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プロフィール:
伊藤亜紗(いとう・あさ)
1979年生。美学者。専門は身体論、現代アート。東京工業大学准教授。障害のある人といっしょにアートや身体について考える活動をするかたわら、作品の制作にもたずさわっている。
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難波創太(なんば・そうた)
1968年生まれ。1995年武蔵野美術大学工芸工業デザイン科卒業。3DCGデザイナーとしてゲーム・映像制作の仕事に関わる。2007年バイク事故で失明、全盲となる。現在、三軒茶屋で鍼灸・指圧・薬膳の店を営む傍ら、視覚を使わないスポーツやアートイベント、ワークショップなどで幅広く活動している。
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企画:熊谷充紘(ignition gallery)